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「ハハハハッ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」
英雄カーナルドの妻にして戦友。
「欲しいッ、欲しいいいいイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」
名をシャルロット。
「貴方の!!!!!!!貴方の!!!!!!!!!!!!!」
その少年が「足が竦む」という感覚を知ったのは初めてだった。
変化を敏感に感じ取ったのは本人よりも彼を取り巻くけものたちだった。半屍の女を見上げて言葉のひとつも発しない、それでも、彼の大きすぎる変化をけものたちが捉えることは実に容易だった。夜の闇の色をしたけものは少年のかすかに震える指先に自らの額を押し当て、竜の子は少年の頬にじっと寄り添った。
逸らすことすら出来ずただ女を見据える飴色の瞳が蕩けそうに揺れた。
彼女は間違っていない。
間違ってなどいないのだ。彼女はそのすがたに納得がいかない。彼女の愛するひとに会いに行けない。
誇り高き英雄カーナルドはもう彼女の側には居ない。
彼女を否定することはできない。
彼が彼女を否定することは、
彼が彼の父親を想うことは、
彼にとって、母の冒涜でしかないのだ。
(かあさんも)
若作りにめかしこむのが好きな母だから、母が彼女に出会っていたなら、
(あいたいと思うのだろうか)
同じ金髪を持っていようが、
うとましいと思わなかったのだろうか。
姿を見たくもないと思わなかったのだろうか。
そんな面影程度の存在なら、
近くにいればいるほどつらいだけじゃないか。
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